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手紙で語り継ぐ戦争と平和

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  1. 土崎空襲を語り継ぐ ~土崎港被爆市民会議の取り組み~

土崎空襲を語り継ぐ ~土崎港被爆市民会議の取り組み~

小 野  哲


1945年8月14日の夜、132機のB29が秋田市の北部に位置する土崎の町(当時は南秋田郡土崎港町)に約4時間にわたり計12,047発の爆弾を落としました。標的の中心となった日本石油秋田製油所(当時、国内原油を用いる日本最大の石油精製プラント)は壊滅。さらに、民家等104個が全壊。死者は250人を超える大惨事となりました。爆撃が終わったのは「玉音放送」のわずか10時間前のことでした。これが日本最後の空襲、土崎空襲です。

その30年後の1975年8月、土崎の人々は町を挙げて、犠牲者の霊を追悼し、同じ悲劇を繰り返さぬ誓いを立てる場として、土崎空襲犠牲者慰霊平和祭を挙行、併せて盆踊り大会、花火大会、灯籠流しを行いました。ここから土崎港被爆市民会議の活動が始まりました。

当時、行政は正確な犠牲者数を把握しておらず、市民会議のメンバーが遺体収容所となった土崎町内のお寺などを一つ一つ訪ねては、犠牲者の氏名を一人一人確認しました。また、空襲体験者を交えた座談会を各地で行い、その体験証言をもとに、「はまなすはみた」(絵本及び漫画)「新 はまなすはみた」(絵本)、及び「証言 土崎空襲」を刊行しました。これらは、現在読み聞かせ、語り聞かせなどの貴重な題材となっています。また、多数の個人や団体の支援・協賛を得て「平和を祈る乙女の像」を始め、9基の慰霊碑を建立することができました。

戦後75年を超え、空襲や戦争の体験者、及びその体験を直に聞ける機会はますます少なくなっていきます。だからこそ、土崎空襲の体験をさらに掘り起こし記録・保存しながら、次の世代に伝え、ともに戦争や平和について考える場を作り出すことがますます重要になっています。現在私たち市民会議は、場所を問わず、また形態を工夫しながら積極的に空襲について知らせる活動に取り組んでいます。

土崎空襲のあった8月14日には、秋田市の協賛を得て毎年「土崎空襲犠牲者追悼平和祈念式典」を開催しています。そして、式典に続き「21世紀子どもたちから平和のメッセージ発表会」を行います。土崎及び周辺の小中学校から子どもたちが参加し、空襲について学んだこと、平和のために自分たちができることなどについて一生懸命に考えたことを発表します。そのメッセージは聞く者の胸に希望の灯を点してくれます。昨年はコロナ禍のために発表会の実施は見合わせましたが、今年こそは再開を、と願っています。

毎年、8月と12月には「土崎空襲展」を土崎みなと歴史伝承館で開催します。土崎空襲に関わる資料を始め、太平洋戦争全般、また当時の人々、子どもたちの暮らしにかかわる写真や実物資料などを展示します。併せて、テーマを決め企画展示を行います。昨年8月の空襲展では、全国疎開学童連絡協議会のご協力も得て、学童疎開についてまとまった展示を行うことができ、好評を得ました。この場を借りて改めて感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

事務局員が語り部となって、戦争の悲劇を伝え、平和を考える学習の場を提供することも重要な活動の柱の一つです。土崎地区の小学校での出前講話会は長年続けてきていますが、ここにきて中学生や、高校生に向けてお話しする機会が増え、市内外の学習サークルや県民教連などからも講話会の依頼がありました。依頼があればどこへでも出かけます。今後も大いにその機会を拡大するとともに、内容の充実を図っていきたいと考えています。

語り部の高齢化に伴い、体験の記録・保存は大きな課題ですが、地元の秋田ケーブルテレビ(CNA)が、1年半以上にわたる綿密な取材に基づいて土崎空襲及び市民会議の活動についてのドキュメンタリー番組を平成27年に完成させました。その後も2本の番組が制作され、毎年CNAチャンネルで放映されています。各講話会や空襲展においてもDVDで上映し、土崎空襲についてリアルに学べる優れた教材として活用しています。

以上が、現在土崎港被爆市民会議が取り組んでいる主な活動です。今後はさらにインターネットの活用を含む広報活動を強化することや、学校・社会教育関係の諸機関や各種団体などとの連携を追求しながら、語り部活動を一層推進するとともに、フィールドワークなどの多様な学習活動を企画することが課題だと考えています。

土崎空襲の悲劇も、学童疎開の中で生まれた悲劇も、根っこは一つです。罪のない人々のいのち・家族・くらし・絆、未来への希望、それらの一切合切を奪いつくす戦争という行為です。私たち市民会議は、より多くの市民、とりわけ若い世代に戦争の実相を伝えることを通して、『政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする』ために私たちに何ができるのか、共に学び、共に考える活動を進めてまいります。

長くなりましたが、土崎空襲及び土崎港被爆市民会議についてご理解いただく一助となれば幸いです。ご質問、あるいはご興味をもたれたことなどございましたらどうぞご連絡下さい。何か力を合わせて取り組めることが見つかればうれしく存じます。
 

連絡先 土崎港被爆市民会議事務局
TEL & FAX:018-845-2688(伊藤)
Mail:satoshi012black{アットマーク}gmail.com(小野)
土崎港被爆市民会議ホームページ https://thsk-akita-tsuchizaki.amebaownd.com

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